『あの日のオルガン』という映画を観みたことがありますか?疎開保育園の保育士と子供達の物語で、東京の保母さんと子供達が埼玉県に疎開して東京大空襲を逃れた実話を基にした映画です。3月10日はその『東京大空襲の日』です。
広島・長崎の原爆や神風特攻隊など戦争悲話は多くの人が口にしますが、それらに比べると東京大空襲の話は話題になることは少ないような気がします。ナチスはアウシュヴィッツで一日1000人を殺害したといわれていますが東京大空襲はたったの一晩で10万人の非戦闘員の一般庶民が米国の無差別攻撃によって殺害されたのです。米国のB29による本格的な東京への空襲は昭和19年11月24日から始まり、終戦の昭和20年8月15日までに東京は実に106回も空襲を受けています。その中でも東京大空襲は、深夜0時過ぎの夜間空襲であることに加え折からの強風で東京は火の海と化し明け方には東京の下町は焦土と化しました。米軍の空襲は焼夷弾。焼夷弾とは通常の爆弾とは違い目的物を爆破するのでなく目的物を燃やす事を目的とした兵器です。日本家屋が木造であることから米軍は何度も実験を繰り返した上で東京を焼夷弾で爆撃しました。3月10日の被害は、「確認された死者の遺体数は約10万5400人になります。負傷者は約15万人で、罹災者は約300万人、罹災住宅戸数は約70万戸です。焼失面積は約140㎢で、区部の市街地の約50%、区部面積の約25%に当たります」(東京大空襲戦災資料センター)で、広島・長崎の原爆を除けば空爆による最大級の被害です。私はこの東京大空襲は米軍の無差別攻撃(原爆や日本各地への空襲も)は国際法に抵触する違法行為・戦争犯罪だと思っていますが、これについて平成27年・山本太郎が「米軍による東京大空襲を始めとする日本全国への空襲・無差別爆撃も国際法違反、戦争犯罪であると思うがその国際法上の正当性について政府の明確な見解を明らかにされたい」と質問し、当時の安倍晋三総理は「お尋ねの「日本全国への空襲・無差別爆撃」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが当時の状況については様々な見方があり「東京大空襲」は当時の国際法に違反して行われたとは言い切れないが国際法の根底にある基本思想の一たる人道主義に合致しないものであったと考える」となんとも要領の得ない答弁をしています。(山本と安倍どっちか保守が分からない答弁です)。米国を批判できない日本という国にもどかしさを感じますが、「憎むとも 憎み返すな 憎まれて 憎み憎まれ 果てしなければ」(阿茶局)という道歌もあるのように、いつまでも相手に対し憎しみや恨み抱かないところが日本人の美徳であり、だからこそ僅かな期間で東京を世界に誇る大都市へ復興・発展することが出来たのでしょう。しかし近年の東京を見ると、特に小池都政になってからは築地市場の移転問題、神宮外苑の再開発による樹木伐採問題など、東京の歴史と伝統を消し去るような首を傾げたくなるような政策が目立ちます。今年は都議会選挙もありますから、口先だけの追悼を述べるような政治家ではなく犠牲になった人々も、未来の日本国民も世界に誇れるような東京を作れるような政治家を都民の皆さんの手で選んで欲しいと思います。因みに東京大空襲関連の展示は『東京大空襲戦災資料センター』で見る事ができるようです。機会があれば行ってみたいと思っています。
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